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TCFD提言に基づく情報開示

指標と目標

気候関連リスク及び機会の評価指標

気候関連のリスクおよび機会に関する評価指標は、表のとおりであります。当社では、シナリオ分析で用いたリスク・機会の分類ごとに指標を設定し、これらを継続的にモニタリングすることで、財務への影響度を評価しております。
リスクについては、移行リスクと物理的リスクに大別しておりますが、特にCO2排出規制や市場環境の変化に伴うコスト増、さらには評判リスクについては、当社への影響が大きいと見込まれることから、重点的に注視しております。
また、機会については、市場、レジリエンス、資源の効率性、エネルギー源、製品・サービスといった分類ごとに指標を設定しております。なかでも、交通の効率化や新エネルギーの普及、新製品・新市場の拡大といった要因は、当社に与える影響が大きいと認識しており、これらの指標の動向を継続的に把握し、その分析に努めております。

評価指標

リスク・機会 指標
移行リスク 規制・法規制リスク
  • カーボンプライシングの仕組み
  • 排出量報告義務の強化
  • 既存製品・サービスの義務付けと規制
  • 訴訟へのエクスポージャー
技術リスク
  • 既存製品・サービスを低排出オプションに置換
  • 新技術への投資失敗
  • 低排出技術への移行
市場リスク
  • 顧客行動の変化
  • 市場シグナルの不確実性
評判リスク
  • 消費者の嗜好の変化
  • セクターの汚名
  • 利害関係者の懸念の高まりまたは否定的な利害関係者のフィードバック
機会 市場
  • 新市場への参入
  • インセンティブ導入
  • 保険適用が必要な新たな資産および所在地への利用
レジリエンス
  • 再エネプログラムへの参加及び省エネ対策実施
  • リソースの代替・多様化
資源の効率性
  • 効率的な輸送手段の利用
  • 生産・流通プロセスの効率化
  • リサイクルの利用
  • 効率的な建物への移転
  • 水の使用量・消費量の削減
エネルギー源
  • 低排出エネルギー源の利用
  • 支援的な政策インセンティブの利用
  • 新技術の活用
  • 炭素市場への参画
製品・サービス
  • 低排出製品・サービスの開発及び拡大
  • 気候適応・レジリエンス・保険リスクへのソリューション開発
  • R&D・技術革新を通じた新製品やサービスの開発
  • 事業活動の多様化
  • 消費者の嗜好の変化
物理的リスク 急性リスク
  • 台風、豪雨
  • 洪水
  • 熱波
  • 山火事
慢性リスク
  • 温度変化(空気・淡水・海水)
  • 降水パターンと降水の種類の変化(雨、雹、雪/氷)
  • 海岸浸食

Scope別温室効果ガス(GHG)排出量と関連リスク

当社の温室効果ガス(GHG)排出量について、GHGプロトコルに基づき2024年度(2024年4月~2025年3月)のScope1、Scope2、Scope3の全項目を算定いたしました。
その結果、Scope1およびScope2は全体の約5.3%にとどまり、事業活動全体に占める割合は限定的であります。一方、Scope3が全体の約94.7%と最大の割合を占めることとなっております。
前年度(2023年度)との比較では、Scope1およびScope2は多少の増減はあるものの、排出量自体が小さいことから概ね横ばいで推移しております。一方、Scope3については、製造委託先や物流に伴う排出が中心であるものの、前年度比で約0.5%の減少となりました。
これらの結果を踏まえ、当社では引き続きサプライチェーン全体の排出量の把握と管理を進めてまいります。
Scope3は、当社にとってサプライチェーンにおける間接的なCO2排出であり、その削減には取引先企業の取り組みが不可欠であります。しかし、取引先におけるCO2削減には追加的なコストが発生する可能性があり、その結果として、当社が購入する製品や原材料の価格に転嫁されるリスクがございます。
このため、Scope3の削減が進む一方で、調達価格の上昇につながる可能性がある点については、今後も重要なリスクとして認識し、継続的に注視してまいります。
なお、当社のScope3排出量は、外部専門事業者の支援のもと、当社が提供する活動データおよび環境省排出原単位データベース(Ver.3.5)、AIST-IDEA(Ver.2.3)の排出量原単位に基づき算定しております。
算定にあたっては、一次データの取得が困難である場合、業界標準や既存データベース等の二次データを使用しており、当社サステナビリティ担当部門においても算定方法および結果の妥当性を確認しております。
Scope3排出量は、算定手法やデータの入手可能性に応じ、将来的に見直される可能性があります。

2022
年度
2023
年度
2024
年度
Scope1 207 
t-CO2
195 
t-CO2
207 
t-CO2
Scope2 786 
t-CO2
1,069 
t-CO2
1,011 
t-CO2
Scope3 23,498 
t-CO2
22,091 
t-CO2
21,971 
t-CO2
総排出量 24,491 
t-CO2
23,354 
t-CO2
23,189 
t-CO2
  • 本算定は、GHGプロトコルに基づき、外部専門組織であるカーボンフリーコンサルティング株式会社の監修により実施しました。

気候関連リスク及び機会を管理する目標及び実績

温室効果ガス排出量の算出結果を踏まえ、当社では2030年までにScope1およびScope2の温室効果ガス排出量(CO2相当量)について、一定規模の削減を目指しております。
2025年度における具体的な取り組みとしては、本社、商品開発研究所および和泉アセンブリーセンター(大阪府和泉市)において、変圧器への節電ユニットの設置等、電力使用量削減に向けた総合的な施策を実施いたしました。これらの取り組みにより、電力使用量の抑制に一定の効果が見られ、Scope2におけるCO2排出量の削減に寄与したものと認識しております。
当社製造部門においては、主要製品に係る原材料の使用方法や物流の在り方について、将来的な効率化に向けた検討を進めております。これらの取り組みは、Scope3のカテゴリー1(原材料等)およびカテゴリー4(輸送・配送)におけるCO2排出量の抑制に向けた基盤づくりとして位置づけております。
その他、LED電球の導入をはじめとした社内施設および設備の省エネ化、より一層のペーパーレス化、離席時のPC電源オフの習慣化、社用車使用時のエコドライブ推進など、日常業務におけるエネルギー使用の効率化に向けた取り組みについても、引き続き検討を進めてまいります。
Scope3につきましては、当社にとって間接的な排出であるため、調達先の理解と協力が不可欠であります。このため、将来的な生産体制の在り方として、製品や部材の内製化を含む選択肢について検討を進めております。これらの検討は、サプライチェーン全体の排出構造を見直すための基盤づくりとして位置づけており、長期的な温室効果ガス排出量(CO2相当量)の削減に向けた取り組みの一環と認識しております。
このように、当社では気候変動に関するリスクおよび機会を適切に管理するため、今後もこれらの取り組みを着実に進めてまいります。